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Zプログラムとゼリーマンズレポートについて

Zプログラムとゼリーマンズレポートについて詳細解説します。


・Zプログラム
 Zプログラムは1954年に設立されたSERNが1973年から行っている長期計画。その目的は21世紀に向けた時空転移方法の確立。原作では「Zプログラム」は、機密保持や臨機応変な計画の変更を行えるようにつけられたために、言葉に意味はない。
 その時空転移の方法は、LHCで生成したマイクロブラックホールを通過することにより、時空転移を行うものである。何故ブラックホールを通過するだけで時空転移出来るのかと思うかもしれないが、ブラックホールの中心では重力が無限大になっているために、既存の物理学(因果関係の成立)が崩壊しているために、時空転移(因果の崩壊=タイムパラドックスの認可=タイムトラベルの肯定)の可能性があるためである。

Zプログラムには
 第一段階 LHCの建設と実用化
 第二段階 リフターの実用化と調整
 第三段階 動物実験
 第四段階 人体実験
の四つの段階があり、作中の2010年ではすでに第四段階である人体実験の段階に入っている。つまり、SERNはもうすでに第三段階まで終えており、LHCの実用化(=マイクロブラックホールの生成方法の確立)には成功している事になる。作中では表向きにはマイクロブラックホール生成実験は失敗したと世間に公表されている。(現実世界のCERNも同様に2000年頃にマイクロブラックホール生成実験を行ったが、失敗したと公表されている。)

 リフターとは、別名イオンクラフトともいい、アルミで作ったものに高電圧をかけると浮遊するものである。
http://www.youtube.com/watch?v=k52uv1ubS2M
 この浮遊する原理は解明されておらず、反重力に関係あるとも言われている。ここではLHCと共にタイムトラベルに必要とされている。

 SERNはすでに人体をタイムトラベルさせる人体実験を複数回行っている。そして、その人体実験の報告書が「ゼリーマンズレポート」である。


・ゼリーマンズレポート
 Zプログラム第四段階の人体実験による結果のレポート、まさにゲルバナのように人間がゲル化した状態で時空転移している結果が報告されている。
 現代から人体を過去に送った実験であるために、結果は過去の新聞として発見されることとなる。そして発見場所も、SERNのあるスイスのジュネーブでは無く、世界各地の色々な場所に現れている。なぜなら、この地球は常に自転と公転をしており、地球を含む太陽系も移動している、そして太陽系を含む銀河系も移動しているために、絶対座標は変化している。つまり、地球から見た過去の同一座標は宇宙規模で見ると大幅に移動している事になる。簡単に言うと、現在の自分のいる場所は常に移動しており、1秒後でも同一の座標には居ないということである。

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・絶対座標
 余談ながら、この絶対座標という表現は少し難し表現である。絶対座標というと直感的に分かりやすく、時間を含めた時空における座標の絶対指数と思えるし、そういった定義があると運動などの記述が素晴らしく分かりやすくなると思われるだろう。
 しかし、かの相対性理論によると時空は"歪む"のである、それによって絶対座標をの原点を置くことが出来ずに絶対座標という表現は物理学では使われることはない。
 絶対座標を定義する代わりに、相対性理論は「宇宙中に時計を置いた」と表現された。これは"光速不変の法則"に基づく理論であるからである。
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 このZプログラムの被験者はSERNのLHCにより作られたマイクロブラックホールの特異点を通過する事によりタイムトラベルを行うために、簡単に言えば1度ブラックホールに吸い込まれる事になる。通常ならば特異点の超重力によって無限に圧縮されてしまうために、通過後には破壊されてしまう。
 クリスによるスポンジを使った説明にあるように10^(-24)乗キロの質量を10^(-19)メートルの所を通って行くわけで、通る物はやはりスポンジが絞られたようになってしまう。
 そこで必要なのがリフターなのだが、その調整が上手くいっていない。

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特異点
 特異点とはある基準を適応出来ない点の事、数学などにおいても用いられるがここでは重力についての特異点の事。
 重力の特異点とは簡単に言うと重力が無限大になる所ということであり、一般的にはブラックホールの中心がそうであると言われている。これは一般相対性理論の解から導かれるもので、解が発散してしまう場の事。発散してしまうために基準を適応出来ないために重力の特異点と言う。ここでは重力が無限大になっているためにあらゆるものは吸い込まれ、圧縮されてしまう。
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by cosmological | 2011-05-05 17:56